4/25〜5/1のサンフレッチェ日記



<99.5.1> 今朝の中国新聞と広島フットボールによると、藤本選手はやはりまだ足首の状態が完調ではなく控えにまわる模様。ヴェルディとのゲームは中盤でのせめぎ合いがキーになりそうなだけに、中盤を構成する森保、吉田康、山口のベテラン3選手の読みの鋭い動きが決め手になりそうです。私も出張の帰りですので等々力に行く予定ですが、今季のリーグ戦の観戦成績が1勝3敗、と言うのがちょっと気になる数字です。(^_^;)

<99.4.30> 明日は等々力で好調のヴェルディ川崎との対戦です。前節、苦しみながらも勝って神戸戦の後遺症から抜け出しつつあるサンフにとって、つかみかけた流れを確実にものにするためにはぜひ勝ちたい相手です。これまでのヴェルディとの「Jリーグ」での対戦成績は9勝11敗ですが、リーグ戦に限ると9勝9敗の五分になっています。
93年1st (H)●1-2 (A)●0-2
93年2nd (A)●0-3 (H)●1-3
94年1st (H)●0-5 (A)○4-1
94年2nd (H)○3-2 (A)○1-0
94年CS   (H)●0-1 (A)●0-1
95年1st (H)○2-0 (A)●1-3
95年2nd (A)●0-3 (H)○3-1
96年     (H)●1-3  (A)●1-5
97年     (A)○2-1  (H)○3-1
98年     (H)□2-1  (A)○1-0

(○●は90分の勝敗、□■はVゴール、△▲はPK戦。「94年CS」はチャンピオンシップ。)
サンフがヴェルディを苦手にしていたのも今は昔。このところは4連勝中で、「それまで苦しい戦いでもなぜかヴェルディ戦は頑張る」と言うパターンが続いています。今季はこれまでの対戦相手が非常に似通っていてどのチームも「広島、川崎」の順で対戦するようになっており、ヴェルディの勝ち点18に対してサンフの勝ち点15、と言うのが(対戦相手の強い、弱いに関係ないので)そのまま両チームのチーム状態を表していると言えるでしょう。浦和戦からここまでの相手は、どちらかというと不調のチームばかりだっただけに、広島にとっても川崎にとっても、今の「強さ」が本物かどうかの試金石となるゲームになりそうです。
次に先発の予想。前節イエローカードは森保と服部がもらっていますが、森保は2枚目、服部は1枚目なのでこの試合の出場停止はありません。(ただ、これで「リーチ」が4人に増えてしまいましたが。)怪我人関係では藤本の状態が気になります。福岡戦では「本来休んでしっかり治すべきところをチームの危機を救うため出場した」と言う感じだったようですし、中2日で無理はさせたくないところです。福岡戦での苦戦は、技術的なものと言うよりも精神的なところに原因があったように思いますし、同じメンバーで臨むのではないかと予想します。
        下田

 フォックス ポポヴィッチ 上村

沢田      森保      服部

     山口    吉田康

      高橋  久保

 SUB:前川、伊藤、桑原、藤本、ヴィドマー
若返ったヴェルディは、外国人を含めてスピードもスタミナもある選手が揃っています。思いもよらないところから選手が飛び出して来たり、また正確なミドルシュートを打って来ることもありますので、とにかく集中力を切らさず守りきることが大切。また守備の堅さも特筆すべきものがあります。もともと点の取り合いは広島の「芸風」ではありませんし、緊張感のある「守り合い」に持ち込んで、久保か高橋の一発で逃げ切ると言う本来の戦い方(^^;)を見せて欲しいものです。

<99.4.29> Jリーグ1st stage第9節を福岡と戦ったサンフレッチェは、目まぐるしいゲーム展開を終了間際に制して前節の大敗の汚名を返上しました。
先発メンバーは、GK:下田、DF:フォックス、ポポヴィッチ、上村、MF:沢田、森保、吉田康、山口(→藤本65分)、服部、FW:久保、高橋、SUB:前川、伊藤、桑原、ヴィドマー。久々に博多の森に帰った藤本は、捻挫の影響からかサブでのスタートとなりました。序盤のお互いの探り合いの状態から一気に流れをつかんだのは前半26分。上村からのパスを受けた高橋が、DFに付かれながらもドリブルで突破しての右足でのシュート、と言う素晴らしい先制点でした。これで集中力が切れかけた福岡を、その後サンフは圧倒的に攻めたてます。37分には久保がドリブルで持ち込んで山口にスルーパス、山口はこれを右足で蹴り込み、その後も3点目を取るのも時間の問題、と言ったペースで攻めたてました。
しかし、この流れも後半2分の不運で一変します。バックパスをクリアしようと蹴った下田のボールが、なんと詰めていた山下の頭に当たってゴールへ入ってしまいました。これで俄然勢いが出たのが福岡で、ボールを支配して攻めたてます。そしてついに後半14分、右サイド25メートルの位置蹴られた「フリーキックアーチスト」マスロバルのボールは、サンフゴールに突き刺さって同点に追いつかれてしまいました。これで意気の上がった福岡は、更に勢いに乗って攻め込みます。が、前節で集中力の大事さを学んだ(?)サンフの守備陣は、がっちりとゴール前に鍵をかけて追加点を許しません。攻め手の見えないサンフは山口に代えて藤本を投入し、ゴール前でのスローインでは上村が何度もロングスローを入れて打開策をさぐります。そしてついに後半ロスタイム。藤本が右サイドをドリブルで突破すると、中央の久保へクロスを入れます。これを久保は得意の左足ではなく右足で蹴り込み、今季初めてのヘディング以外でのゴールは嬉しい勝ちを決定する1点。サンフはようやく苦しいゲームをものにすることができました。
このゲームの収穫は、何と言っても集中力を切らさずに勝った、と言うことに尽きると思います。失点はいずれもDFのミス、とは言いがたいやや不運なもの。精神的に追いつめられるような展開でも、DFラインはがっちりとその組織を崩さず守りきりました。逆に得点はいずれも流れの中から相手を崩したもので、それも高橋、久保、山口、藤本と攻撃陣の役者が揃って自分たちの役割を果たしました。大敗の後ズルズルと連敗を重ねることなく立て直した、と言うことは、昨年に比べてチーム自身が成長していることを表している、と言えるでしょう。次節は2位に浮上した強敵川崎が相手ですが、きっと良いサッカーを見せてくれると思います。

<99.4.28> 昨日の「ゴ〜ル!」のゲストは、「広島フットボール」の中野和也さんでした。紙メディアに比べ格段の速報性を持ち、分量の制限もないため書きたいだけ書ける、と言うのがメールマガジンを始めた理由だということで、あまり宣伝していなかったにも関わらず(そして創刊から1週間しか経っていないにも関わらず)既に100〜200人の申し込みがあったそうで、特に海外を含む遠隔地の読者が多い、とのこと。当初、メールアドレスを持たない人向けにファックスなどでの配信も考えていたそうですが、取材、編集などを1人でこなさなければならない事もあって当面はメールに専念するそうです。申し込み、お問い合わせについては中野さん本人にメールを送るか、あるいはホームページをお読み下さい。

<99.4.27> ゴールデンウィークに突入する今週から来週にかけて、Jリーグは週2試合の強行日程に入ります。明日は博多で福岡との対戦で、これまでの対戦成績は3勝3敗の五分です。
96年     (A)○2-0  (H)●2-4
97年     (A)○1-0  (H)●1-3
98年     (A)▲1-1  (H)○4-0

(○●は90分の勝敗、□■はVゴール、△▲はPK戦)
福岡との対戦は、割合いつもお互いの調子に関わらず苦戦する、と言う印象があります。ただアウェイに限れば90分での負け無し、と相性は良いので、なんとか再浮上のきっかけにしたいところです。
メンバーについては出場停止は無く、また怪我人が出たとの情報もありません。悪い流れを断ち切るためにメンバーを変えてくるかも知れませんが、逆に「良いときのイメージを思い出す」と言うことを優先して敢えて同じメンバーで臨む可能性もあります。私の予想は、後者です。
        下田

 フォックス ポポヴィッチ 上村

沢田      森保      服部

     山口    藤本

      高橋  久保

 SUB:前川、伊藤、桑原、吉田康、ヴィドマー
今朝の中国新聞によると、前節の大敗を受けて昨日の練習ではフィジカルトレーニングは早々に切り上げ、ビデオを使った「頭のトレーニング」を90分間にわたりみっちり行ったそうです。監督の仕事として大切なのは、うまく回転しているときではなくむしろ崩れかけたときにいかに立て直すか、でしょう。そう言う意味では、同様に大敗した福岡の菊川監督とどちらがより優れたコーチか、が問われる一戦になりそう。細かい戦術的な面よりも、精神的な立て直しがどこまでできるか、で勝敗が左右されそうな気がします。

<99.4.26> 24日は多くは広島だけでなく多くのチームにとって「厄日」だったのか、福岡も清水もホームで2-5で完敗し、更に初優勝を目指したU-20日本代表も0-4でスペインに敗れてしまいました。ユースを見た方のほとんどは「スペインは強かった」「上には上があった」「世界に近づいた、とは言え日本はまだまだこれからだ」と思ったことでしょうが、しかし実力的にはあまり差がないJリーグでも(その上、広島は順位が下のチームに負けたのですから)このように大差で敗れることがあるのですから、悲観したものではないでしょう。サッカーに限らずスポーツはメンタル面での優劣が大きく勝敗に関わります。聞くところによればスペインは決勝進出が決まり日本が相手とわかった時点から、ほとんど勝ったつもりでいたそうです。それに対して日本は一番重要な選手である小野が出場停止。それに高原も、遠藤も怪我を押しての出場でした。それでも日本が先制していれば、あるいは終盤まで同点で行けばスペインの焦りを呼ぶこともできたでしょうが、それが開始早々の不運な失点。取り返そうと焦りだしたのは逆に日本の方となり、小笠原も、高原も本山も小野の穴を埋めようと気負いが先行するばかりでチームのバランスが崩れてしまった。それが結果的に「完敗」と言う結果を招いてしまったと言えるでしょう。そう考えると、この両チームの間に0-4で表されるほどの実力差があったとはとても言えないと思います。(同様に、日本が完勝したメキシコに対してもそう大きなアドバンテージがある、とは言えないと思います。)
24チームが3週間で決着を付けるという、ある意味ではW杯よりも厳しい条件下で決勝に進出したユース代表は、十分自分たちの力を発揮し尽くしました。が、これで終わりでは決してなく、来年のシドニー五輪、3年後の、そしてその後のW杯に向けての序章に過ぎません。彼らのうちの何人かは外国のクラブに移籍するかも知れませんし、その他の選手はJリーグでのレギュラー争いが待っています。五輪代表のメンバー争い、フル代表を目指す争いもありますし、同年代の選手にだってワールドユースに出れなかった金古や市川などのライバルもいます。(もちろん、高橋泰だってその一人でしょう!)そう言う意味では、ここで勝って帰ってちやほやされるよりも、負けたという重い事実を胸に抱きながら帰国して、来年以降の「リベンジ」を期した方が良かったかも。この功績はトルシエ監督や山本、望月両コーチをはじめとするU-20代表スタッフのものであると同時に、彼ら選手達を若いときから育てた沢山の指導者たちのものだと思います。今後彼らがどれだけこの経験を元に上の代表に食い込んで行けるか、そしてライバルたちといかに切磋琢磨していくかが、今後の日本代表の未来につながるのだろう、と思います。

<99.4.25> 昨日、神戸とのホームゲームを戦ったサンフレッチェは守備の組織が崩壊して後半だけで5失点と、課題を残すものとなりました。メンバーは次のような感じ。
        下田

 フォックス ポポヴィッチ 上村

沢田      森保      服部

     山口    藤本

      高橋  久保

前半、風上を取った広島はラインを高く引いて攻め込みます。しかし強い風に翻弄されてロングボールは流れてしまうわ、シュートはバーの遥か上を越えていくわでゴールを割ることができず、それどころかボールが足に付かない感じでなかなかペースを握れません。神戸もパスカットはするものの攻めのアイディアに乏しく、決定的なチャンスは金度勲が抜け出しかけた1回だけで、いつかはこちらが先に点が取れるだろう、と思わせる前半でした。
ところがこの状況が後半に入ると一変します。まずは2分、サイドを金度勲にあっさり突破されると、河錫舟に決められます。DFがしっかり付いて行くべきところをオフサイドと思ったか、あるいは下田に任せようと思ったか。DFもGKもいかにも中途半端な「軽い」ディフェンスで、油断したとしか思えない失点でした。しかしそのすぐ2分後に追いつきます。右サイドでボールをキープした山口がオーバーラップした沢田へ。これを中央に折り返したボールを、高橋がDFと競り合いながらも高い打点のヘディングで、嬉しいプロ初ゴールを決めました。ナビスコ杯で高橋のアシストを受けた沢田が、「今度はアシストしてやりますよ」と言っていた、その約束を果たすゴールで、さあ、これから逆襲かと思わせました。が、このムードは長くは続きません。その直後に右サイドから上がった河錫舟(?)が逆サイドでフリーの永島にボールを通すと、抜け出した永島は飛び出す下田を嘲笑うかのようなループシュート。前半の静かな展開とはうってかわってわずか6分で3点という荒れたゲームとなってしまいました。その後FKからのクリアミスからオウンゴールで更にリードを許します。風に乗せてDFラインの裏にボールを通し、2列目から韓国コンビを走り込ませると言う神戸の戦術が図に当たり、速さの点で心許無い広島の弱点を突いた見事な攻撃にはまってしまった失点でした。
その後広島はスピードに対処するため山口に代えて伊藤を投入してフォックスを中盤に上げ、反撃を試みます。そんな流れで服部のCKから伊藤がヘディングシュートを決めて1点差にしますが、しかしその後の度重なる攻めはゴール前に人垣を作って守る神戸に阻まれどうしても得点できません。逆に薄くなった守備の裏を突かれて金度勲に2点をゲットされてジ・エンド。点差の上でも、内容的にも完敗としか言い様がない敗戦で、高橋のプロ初ゴールだけが収穫、と言ったゲームでした。
中国新聞によると、試合後のトムソン監督は冷静を装いながらも顔は紅潮して怒り心頭だったとか。しかし、今週は水曜日にもゲームがあるので大事なのはいかに切り替えるか、と言うことでしょう。次節の相手の福岡もホームで2-5で敗れており、立て直しを図らなければならないという意味では同じです。こう言う厳しい状況に陥ったときこそチームの底力が問われると言うもの。後半早々の連続失点の原因(これは守備のコンビネーションと集中力の問題だと思いますが)を早く明らかにして、また守備の組織と、そして自信を回復して欲しいと思います。

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