9/23〜9/29のSANFRECCE Diary


<01.9.29> 広島フットボールによると、ヴァレリー監督は森崎浩選手の福岡遠征への帯同を明言し、先発起用の可能性も示唆したそうです。昨日の練習では森崎和との絶妙のコラボレーションを披露。今日の出場の可能性について森崎浩は「びっくりした」と言いながらも「やれる自信はあります」と断言。「コンディションはいいです。ナビスコで先発を言われた時よりも。緊張感ですか?ありませんね。大丈夫です」と語っていたそうです。福岡は中盤の厳しいプレスが持ち味。従ってキープ力を考えれば、守備の不安に目をつぶってでも森崎浩を使う価値はあるのではないでしょうか。また先週監督から激しく叱責されながら、発奮して結果を出したスカチェンコもかなり調子が上がっているとのこと。ここで初の先発起用があるかも知れません。
今日のキックオフは19時に博多の森球技場。テレビ放送は22時から、スカパーch121で同日録画です。
<01.9.28> 明日の対戦相手の福岡は、年間順位は12位で2nd stageは7位。すなわち年間では広島より一つ上、stageでは広島より一つ下の順位にいます。ここまでの2nd stageの戦績は、
福岡 ■0-1□ 横浜FM 【横】ドゥトラ
福岡 ○4-0● C大阪 【福】ビアージョ、呂比須、バデア2
福岡 ●2-5○ 柏   【福】中払、呂比須、【柏】黄2、柳、平山、大野
福岡 □4-3■ 札幌  【福】バデア、ビアージョ、呂比須2、【札】ウィル2、山瀬
福岡 △0-0△ 神戸
福岡 ○3-0● 東京V 【福】呂比須2、盧
1st stage終盤から2nd stageの第1節まで、カップ戦も含めると8連敗とサンフ以上に落ち込んでいた福岡でしたが、呂比須、盧の加入で生まれ変わった、と言う感じ。チームに「芯」ができたことでチームとしての団結力が蘇り、持ち前の粘り強さが出ています。2nd stageの直前に練習試合をしたときにはサンフが快勝していましたが、あの時の福岡とは別のチーム、と思って間違いないでしょう。昨年、今年とリーグ戦では3連敗中で「苦手」となりつつある相手ですが、技術や戦術で負けているというよりもいつも気力負けしているようなもの。横浜戦で見せたような集中力を出して、絶対に勝つというつもりで戦ってほしいものです。
サンフレッチェのメンバーは、前節出場停止だった上村が戻ってきますが今度は駒野が出場停止。右サイドが誰になるか、ボランチをどうするかが問題ですが、やはり次のようになると考えるのが妥当でしょう。
       下田

    オレグ  上村
沢田            服部
     桑原  森崎和
   
       コリカ
 藤本          大木
       久保

SUB:加藤、八田、奥野、梅田、スカチェンコ
前回もサブのメンバーには迷ったのですが、今回も加藤、奥野、スカチェンコ以外は良く分からない、と言うのが正直なところ。特に前節役目を果たした八田がどうなるか、が難しいところです。昨年入団の「スーパーセブン」の中では一番期待が小さかった?八田でしたが、実はあと90分の出場でA契約に移行できるところまで来ています。先週の出来も監督や総監督によると「良くなかった」そうですが、それは逆に言えば彼に対する期待の大きさの故、とも言えるでしょう。彼にとって必要なのは何よりも経験。福岡は彼にとっては地元でもありますし、短時間でもいいから是非出場させて欲しい、と思います。
<01.9.28> 日本サッカー協会は昨日、欧州遠征に向けての日本代表を発表し、サンフレッチェからは上村、藤本の2人が選ばれました。今回のメンバーは次の25人となっています。
【GK】川口(横浜FM)、都築(G大阪)、曽ヶ端(鹿島)
【DF】服部(磐田)、上村(広島)、森岡(清水)、波戸、松田(横浜FM)、宮本(G大阪)、中田浩(鹿島)
【MF】名波、奥、福西(磐田)、伊東、戸田(清水)、中田英(パルマ)、廣山(セロ・ポルテーニョ)
    藤本(広島)、稲本(アーセナル)、小野(フェイエノールト)
【FW】鈴木、柳沢(鹿島)、西澤(ボルトン)、吉原(G大阪)、高原(ボカ・ジュニオルス)
先日のトレーニングキャンプには25人が選ばれていましたが、そこから「生き残った」のは都築、上村、宮本、戸田、藤本、吉原の6人だけ。これに「海外組」全員(6人)と常連、新顔も加えたテスト的な色彩の強いもの。直近の代表戦である豪州戦から半数を入れ替えて、アフリカ勢の身体能力への対応力、長い遠征に対処する力、海外組との組み合わせなどを見るものと思われます。久々の代表選出となった上村、2度目のチャンスを与えられる藤本には是非何かを得て帰って来てほしいと思います。
<01.9.27> 次節は駒野が出場停止。となると誰が右SBを務めることになるのか気になるところですが、昨日配信の広島フットボールによると紅白戦では梅田が右SBとしてプレーしていたそうです。「スピードもあり、キープ力もある。運動量も多い。何より、チームのために頑張れる選手だ」と高く評価するヴァレリー監督は何としても彼をものにしたいようで、単なる数合わせではなく本格的な転向だそうです。梅田自身も「監督から『チームのために頼む』と言われました。最初は戸惑いもありましたけど、もう吹っ切れましたよ」と語っていて意欲を見せているようですが、ただポジショニングも動き方も良く分からないようで福岡戦でいきなりデビュー、と言うのは難しそう。梅田自身も「(福岡戦での先発は)ありえないですよ。動き方がまだわかんないんですから。それよりも翌日のサテライト(対福岡。雁の巣球技場で14時キックオフ)に出たいですね。それからです」と語っているとのことです。FWもサイドバックも「専門家」と言うイメージのポジションなのでいきなりやれ、と言われても難しいでしょうが、そう言う例が無いわけではありません。例えば笛は最初FWだったのが徐々にポジションを下げて右SBをやっていましたし、東京Vの西田も広島在籍中まではFWでしたが京都に移籍してから?やはり右SBに転向しています。能力があり、真面目に練習をこなしている梅田ですが、チャンスを与えられながらも結果を出せないのはひとえに精神的なものでしょう。少々の失敗は恐れないで、思い切ってプレーして欲しいと思います。
<01.9.26> 先週発売の「紫熊倶楽部」Vol.42のタイトルは、「厳しい現実がある今こそ、ポジティブに行こう!」と言うもの。FC東京戦までに3連敗してチームのムードもサポーターも真っ暗な状態でしたが、そこで敢えて明るく前向きに考えよう、と言う事でチーム一の熱血漢、藤本選手のインタビューを取り上げています。チームが不調に喘ぐ中でも常にポジティブな姿勢を崩さない藤本。セカンドステージに入ってチーム最多の5ゴールを挙げ好調を持続する彼が、「やればできる!」と高らかに宣言しています。また、今シーズンの悪かったところは忘れて良いイメージを持とうと言うことで「2001年勝利のカタログ。」1st stageの札幌戦、FC東京戦、市原戦、2nd stageのC大阪戦、市原戦などのゲームの勝因を振り返って、勝つためには何をなせばよいのか、をまとめています。これに続くのが、やはりポジティブな思考で戦って結果を出しているユースの特集。「実は、今年のユースへの期待は、それほど大きくはなかった」と言うチームがどのように成長し、高円宮杯3位などの過去最高の結果を出してきたかを探っています。
コラム「スタジアム向上委員会」は、東京スタジアムについて。首都に出現したこの巨大スタジアムを取り上げて、「大きければいい、と言うものではない」と適正規模のスタジアムの利点を訴えています。連載「若者達の表情」はこのところ大きく成長してきた駒野選手を、「ヴェテランの肖像」は出場機会が無いにも関わらずサブとしての役目を忠実に果たす加藤選手をピックアップ。佐々木温さんのコラムは、「分岐点(ターニングポイント)」について。そして最終ページの編集長コラムは「やる気を見せろ、と言う言葉の意味。」と言う題で、選手達が見せるべき「やる気」について語っています。
ところでこの紫熊倶楽部(&広島フットボール)のホームページですが、サーバが変わったそうでアドレスが変更され、またトップページのデザインが変更されて情報量が増えています。また先日閉鎖された掲示板も、読者専用としてリニューアルされているようです。ここに入りたい方は、ユーザ名とパスワードを9/24配信の広島フットボール号外でご確認下さい。
<01.9.25> 横浜との「残留争い」に勝って余裕が出てきたサンフレッチェ。終盤に強敵が続くだけになるべく早く「安全圏」に入りたいところですが、ではどこまで勝てば安心できるか、他チームの状況も見て考えてみました。
まずは残留のボーダーラインですが、昨年、一昨年の市原はいずれも年間通算勝ち点28で残留を決めています。逆に降格した浦和、京都は28と25。すなわち勝ち点28前後が分かれ目となっています。今年は15位東京Vの20試合消化時(2nd stage第5節まで)の勝ち点は16、14位横浜は18で、このペースで30試合を消化すればそれぞれ最終的には24と27になります。従ってやはり勝ち点28あたりがボーダーラインになると考えて良さそうです。
では、ここに到達する展望はどうか。まず最下位のC大阪ですが、現在の勝ち点は11。残り9試合で28まで行くには6勝3敗以上の成績が必要です。2nd stageでまだ1試合も勝っていないこと、監督交代、新外国人獲得などカンフル剤は既に投与済みである事を考えると、この成績は非常に厳しいと言わざるを得ないでしょう。特にここは、まだ磐田、鹿島との対戦を残しています。こうなってしまうと、よほどのことが無い限り(つまり残留ラインが大幅に下がらない限り)降格を免れるのは難しいのでは無いでしょうか。
次に15位の東京Vですが、勝ち点28までは残り12です。これは残り9試合を4勝5敗以上で良いので、そう難しい数字ではありません。ただ、これまでの2nd stageの6試合で勝ったのは浦和、横浜と調子の出ないチーム相手だけで、上位チームには歯が立たないと言う感じです。従って「取りこぼし」はもはや許されない状況。今後の相手を考えると、札幌、広島、C大阪、神戸、G大阪あたりから確実に勝ち点を稼がないと苦しいと思います。
続いて14位の横浜ですが、ここは本来力のあるチームなのに波が大きすぎ。レギュラークラスが欠けるとチーム力ががた落ちになることと、モティベーションが維持できないのが問題だと思います。今後の対戦相手にはまだ2nd stageの上位5チームが残っているので、ノルマの勝ち点10(3勝5敗1分以上)獲得が計算できるか、と言うとそうでも無いと思います。ただ、逆に本来の力を発揮すればどこに勝っても不思議ではないので、最終的にはきっちりまとめてくるのではないでしょうか。
いわゆる「崖っぷちランキング」ではこれに続くのは広島、福岡と言う事になるのですが、実は結構危ないのが浦和と札幌。この両チームのここまでの勝ち点は24ですが、2nd stageに入ってからの6試合でどちらも勝ち点3しか得ていません。そのペースで今後の9試合を戦うとすると、最終勝ち点は29。横浜について同様の計算をしてやるとやはり29になります。従って現在の勢いからすると、これら2チームと横浜は同レベルということになります。(因みに広島、福岡が今のペースで行けば、最終的には37以上になる。)札幌はこのところずっと延長が続いて苦しいのですがやや上向きなので、次の神戸か東京Vのどちらかに勝ち、更に広島に勝って安全圏に逃げ込みたいところ。でないとそこからの対戦(磐名浦市柏C)が非常に厳しくなるでしょう。浦和は監督交代以来一度も勝っていないので、今は何としても結果が欲しいところではないでしょうか。今後4試合(東横福G)で2勝して安全圏に逃げ込まないと、その後の5試合(清札柏C名)はかなりプレッシャーがかかるはずです。
最後に肝心のサンフレッチェですが、現在の通算勝ち点は22なのであと2勝で28に到達です。得失点差でも横浜、東京Vをリードしているので、サンフの降格の可能性はかなり低くなった、と考えて良さそうです。ただこのチームは連敗しだすと止まらなくなるので、早めに安全圏に逃げ込んで楽になりたいところ。仮に福岡、柏に連敗すると、札幌、東京Vと続くアウェイ2連戦が精神的にも体力的にも非常に苦しくなってしまいます。従って次の2節に勝てるかどうかがポイントになる、と言えそう。この「勝ち点28」と言うのはあくまで計算上の事ですので、サポーターとしては早く30以上まで到達して安心させて欲しいものです。
<01.9.24> 昨日吉田サッカー公園で行われたJユースカップ第2戦の名古屋戦は、3-2で勝ちました。
サンフレッチェユースのメンバーは、ボランチ田森を負傷で欠いて次のような3-4-3でした。
【GK】古川
【DF】守生、寄井、川端
【MF】田坂、対馬、宮本、沖本
【FW】大野、馬屋原、木村
(メンバーは右から。)
私は前半は見られなかったのですが、全体的に広島ペースだったらしい。名古屋はなぜか1、2年生ばかりだったこともあってか、広島ユースが支配していたそうです。しかし先制点は名古屋。前半に沖本のゴールで追いついたものの、いまひとつ不満の残る出来だったようです。
後半に入ると、ますますゲームを支配する広島ユース。名古屋はカウンターに賭けるしかなくなりますが、しかし広島のフラット3が素早いカバーリングでシュートすら打たせません。逆に広島ユースは右サイドの田坂を起点に何度もゴール前にクロスを送ります。しかしエース木村に本来の切れがなく、また名古屋の必死の守りもあってなかなか相手ゴールを破れませんでした。しかし広島ユースの波状攻撃がボディーブローのように効いたか、後半27分、右サイドの田坂のクロスを木村がシュート。このこぼれを田坂が再びファーサイドの上げ、これを木村が頭で決めてようやく勝ち越しました。更に37分、対馬の中盤でのドリブルからのスルーパスに大野が抜け出して3-1。後半ロスタイムにGKのキャッチミス?から1点を失います(実は見てなかった^_^;)が、そのまま逃げ切ってこの大会初の勝利を収めることが出来ました。しかしこの日の広島ユースの出来は余り良いほうでは無かったのではないでしょうか。中盤の心臓、田森の不在があったとは言え、最終的な崩しのアイディアに乏しくボールの支配率の割には決定的なシーンは多くなかったように思います。やはり沖本がもっと動いてボールに触って正確なパスをゴール前に入れることが必要なのかも知れません。しかし逆に、1年生の田坂の活躍と途中から対馬に代わって入った西山(彼も1年生)のアグレッシブなプレーはなかなか良かったと思います。先日のトリニダード・トバゴのU-17代表は惨敗を喫してしまいましたが、本来はここに沖本など広島ユースの選手が入ってもおかしくないはずです。ユースの選手達は単に高校生相手に頑張るだけでなく、プロや年代別代表のように目標を高く置いて頑張って欲しい、と思います。
<01.9.23> 昨日の「J2降格争い第2ラウンド」横浜F・マリノスとの対戦は、サンフレッチェが粘り強い戦いを見せて制し、スタンドを埋めた15,164人の観衆はほっと胸をなで下ろし、そして沢田選手の通算200試合出場を祝うことができました。
上村を出場停止で欠くサンフは、DFラインに2年目の八田を入れて次のようなメンバーでした。
       下田

    オレグ  八田
駒野(→89分退場)     服部
     沢田  森崎和
   
       コリカ
 藤本(→高橋78分)   大木(→奥野59分)
       久保(→スカチェンコ69分)

SUB:加藤、桑原
守備面ではオレグ、八田が相手ツートップを見て沢田がカバーに入り、森崎和が中村に注意し、またスリートップとコリカも交互に下がって中盤のスペースを埋めると言う感じ。攻撃面では、服部は足の状態を考えてやや抑え気味。その分駒野が何度も思い切ったオーバーラップをかけて右サイドを切り裂きます。前半はサンフのワンタッチのパスが軽快に回ってボールを支配。開始早々に久保が抜け出してGKと1対1になるチャンスはありましたが、思いきりが悪くシュートも打てずに終わります。22分には横浜中盤の要・遠藤が負傷退場。これでますますサンフのペースになったか、に見えました。しかし27分、ある意味このゲーム最大のピンチがサンフを襲います。サンフの右サイド、駒野の後ろのスペースに出たロングボールに中村が飛び出します。ここにカバーに入る沢田。しかしジャンプも及ばず裏を取られて、中村はフリーでシュートを放ちます。しかし、ここに立ちはだかったのは下田で、素晴らしい反射神経でボールを弾きました。続いてその1分後、今度は上野のスルーパスにブリットが飛び出します。しかしこの時も下田は判断良くブリットの足下に飛び込んでクリア。この2つの大ピンチを下田の勇気あるプレーが救って、失いかけた流れを引き戻すことができた、と言えるのではないでしょうか。
そしてそのすぐ後の前半33分、ようやく機能した3トップのコンビプレーから待望の得点が生まれます。右サイドを駆け上がった駒野がグラウンダーのクロスを入れるとこれを久保がスルーし、大木がワンタッチで森崎和に戻します。森崎和は冷静に周囲の選手のポジションを確認すると、一番ゴールに近い道筋として左に飛び出した藤本へのパスを選択します。「クロスは読まれていた」と考えて左足を思い切って振り抜く藤本。スライス気味に回転しながら、このボールが川口を襲います。至近距離からの強烈なシュートにさすがの川口の反射神経も及ばず、ボールは手を弾いてゴールネットを揺らしました。藤本の自己最高新記録となるシーズン7つ目のゴールは、2nd stageに限ればチーム最多の5ゴール目。元気一杯のプレーでチームを盛り上げる藤本の思いきりの良さで、ゲームの流れを引き寄せ、横浜に「また負けるかも」と言う疑念を抱かせるには十分のゴールだった、と言えるのではないでしょうか。
しかし、後半になると気を取り直した横浜がボールを支配して攻め込みます。11分には松田が最終ラインからするするとドリブルで上がるとペナルティエリアからファーサイドに決定的なクロスを上げ、これをブリットがバイシクルシュート。また13分には古賀が左サイドを突破するなど何度か危ない場面を迎えます。ここで早めに動いたのがヴァレリー監督。後半14分、大木に代えて奥野を投入し、3-5-2に変更して守備を固めます。奥野はしっかりとコーチングしてラインを高く保ち、中盤からの厳しいプレスで横浜を自由にさせません。そして後半20分にようやくそれまでの苦労が報われます。右サイドからのCKを蹴るのは服部。これをショートコーナーからつなぐと駒野が鋭いクロスを送ります。これがゴール前に構えていたオレグにドンピシャ!長い足でワントラップして落とすと反転して豪快に蹴り込み、待望の2点リードを付けることができました。
これで勢いが出てきたサンフ。逆に意気消沈気味の横浜。チーム全体のコンビネーションで戦う広島に対して、横浜は個人技に走って単発の攻撃に終始します。サンフは後半24分、久々にメンバー入りしたスカチェンコを入れて前線に起点を作り、更に足がつった藤本に代えて高橋を投入します。3点目はこの2人のコンビネーションからで、後半36分、ドリブルで抜け出したスカチェンコが高橋にパスを出します。高橋はこれをワンタッチでリターンするとスカチェンコはすかさずダイレクトでシュート。ボールはバーに当たり、下に落ちてまた跳ね返って戻ってきましたが副審はゴールを宣告。ここ数試合、サンフは途中出場の選手が結果を出せない事が続いていましたが、スカチェンコのキープ力、判断力の高さとシュートの正確性が、どちらに振れるか分からないゲームの流れを完全に引き寄せる要因となった、と思います。
後半39分には中村に今季初ゴールを決められ、終了間際には駒野が立て続けにイエローカードをもらって退場すると言うアクシデントもありましたが、それで流れが変わることはなくそのままタイムアップ。ここで負ければ後が無いという大事なゲームを高い集中力で乗り切って、久々の歓喜に酔いしれました。
試合後、ヴァレリー監督は「きれいなサッカーではなかった」と冒頭に語っていたそうです。確かにこの日のサッカーは、早い段階から守備を重視してカウンター狙いに徹したもので理想からは外れたものだったかも知れません。しかしいくら高い理想を掲げても、結果が伴わなければ絵に描いた餅のようなもの。今はまだ常にボールを支配して圧倒的にゲームを進めることができない以上、昨日のような流れを考えたバランス重視のサッカーを選択するのは当然の事だと言えるでしょう。理想的ではなかったのかも知れませんが、昨日のゲームは選手の姿勢もチームとしての質も横浜よりもずっと上。足下へのパスばかりで動きの少ない横浜に対し、サンフの選手達は常に動いてパスコースに顔を出し、良い角度を付けたパスで相手を翻弄することができていました。だからこそ、終盤に先に足が止まったのは横浜だったのだろうと思います。サンフはようやく連敗の悪夢を振り払って勝利を収め、通算順位は13位のままながら14位との差を広げることができました。また2nd stageも3位名古屋と勝ち点3差の6位にまで戻してきました。今後2試合は福岡、柏と同程度の順位のチーム相手が続きます。ここで昨日のように集中力を切らさず、流れをよく見て戦うこと。それが結局は、理想のサッカーに近づくための近道だと言えるのではないでしょうか。
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