2001年4月13日(金) 

サンフレッチェ広島 サポーター通信 〜ヴァレリー監督の悩みは深く

文/瀬戸秀紀

 主力、特にDF陣の不在で苦しいメンバー構成を強いられた前節レイソル戦だったが、奥野、八田らの奮闘で緊迫した好ゲームを繰り広げることができた。特に後半13分に追いつかれてからの数的不利をものともしない頑張りは、感動的なものだった。優勝候補の一角を相手にした好パフォーマンスは、このチームが潜在的に持っている力を示したものだ、と言えるだろう。

 しかし、そんなことはこれまでにも何度もあったことなのである。昨年も一昨年もその前も、上位チーム相手に好ゲームを見せながら下位チーム相手にミスだらけのサッカーをし、無様な敗戦を喫すると言うことを繰り返しているのだ。この体質を克服しなければ、サンフレッチェが強豪チームと呼ばれる日は来ないだろう。

 次節の対戦相手のアビスパは、昨年2連敗を喫するなど、このところやや苦手としている相手だ。序盤は怪我人続出で苦しんでいるが、ビスコンティ、山下の復帰などで徐々にチームを整備しつつある、と聞いている。逆にサンフレッチェはポポヴィッチとコリカが引き続きW杯予選でお休みの上に、藤本が出場停止。それに加えて、レイソル戦で肉離れを起こした沢田の欠場が濃厚となっている。前節同様に思わぬ若手選手の活躍がなければ、苦しい戦いは免れまい。

 報道によるとヴァレリー監督は、ここに来て再び3バックか4バックかに悩んでいるらしい。攻撃的で面白いサッカーを、と高く理想を掲げて出発してはみたものの、これまでの1試合平均得点はわずかに1。この数字はリーグ全体では下から4番目の少なさで、守備的過ぎると批判の多かった昨年よりも少ないのだ。練習では前半は3−4−3、後半は4−3−3を試すなど試行錯誤を繰り返しており、実際にどのような布陣となるかは当日になってみないと分からない、と言うところ。個人的には、そろそろ本来の4−3−3を見てみたい、と思うのだが。

 と言うことで、前節までの3−4−3を採用するとすれば先発は次のような感じか。

  GK:下田
  DF:上村、奥野、トゥーリオ
  MF:駒野、桑原、森崎和、服部
  FW:梅田、久保、高橋

 4バックにするならばDFを1枚外してトップ下に森崎浩か、あるいは本来MFのトゥーリオを中盤に上げても面白い。このゲーム終了後に南米遠征に出発する森崎兄弟と駒野の「U-20代表トリオ」の爆発にも期待したい。