5/18〜5/24のSANFRECCE Diary


<03.5.24> ファンクラブからの「ホット・ニュース」と広島フットボールによると、3/29の山形戦以来7週間で13試合をこなしている森崎和幸選手が、かなり疲れていることは間違いないようです。ただ小野監督は「カズと浩司のコンディションは問題ないでしょう。移動や試合による疲れは当然ある。だから、もちろん彼らの体調も100%ではない。でも、こういう厳しい状況の中でも頑張れる選手たちです」とあまり心配していない様子。また本人も疲れが溜まっていることは認めながらも「本当にサポーターの応援がすごい。今年は特に、よく耳に届くんです。だから、疲れてもクタクタになっていても前を向けるし、走れる。鳥栖戦の結果は、サポーターのおかげです」と言っていたそうで、今日の「アウェイツアー」で山形に行くファンの声援が決め手になるかもしれません。「広島の宝」であり「日本の宝」でもある彼には無理をして欲しくないのですが、しかしこれは中心選手として、そして代表選手としては乗り越えなければならない壁の一つであるのも確かでしょう。今日は敢えて、彼のプレーに期待したいと思います。
 今日の試合会場は山形県総合運動公園陸上競技場で、午後2時キックオフ。テレビ中継はスカパー140chで生放送です。
<03.5.23> 明日のサンフレッチェは山形に遠征して、モンテディオと対戦します。
 一昨年はJ1昇格一歩手前まで行っていた山形でしたが、昨年は下から2番目の11位に終わりました。そのメンバーからチーム得点王の佐藤悠介がC大阪に移籍したこともあって、今季は初めて外国人を獲得するなど12人の新加入選手を獲得。柱谷監督はまた一からのチーム作りを強いられました。そのため第6節までは勝ち点を1しか取れずに苦しみましたが、その後チームがまとまるとともに勝ち点を積み重ね、現在4勝2分け7敗で9位に付けています。
A 山形●0-2○湘南  【湘】白井、坂本
H 山形●2-3○札幌  【山】松田正、星、【札】堀井、ベット、曽田
A 山形●1-2○広島  【山】ニヴァウド、【広】大木、サンパイオ
H 山形△1-1△横浜FC 【山】川崎、【横】高木
A 山形●1-5○川崎F 【山】松田正、【川】箕輪、ジュニーニョ2、岡山、中村
A 山形●1-2○大宮  【山】大島、【宮】伊藤、バレー
H 山形○4-1●鳥栖  【山】大島、星2、松田正、【鳥】川崎
A 山形△2-2△福岡  【山】松田正、中村、【福】ベンチーニョ2
H 山形○1-0●新潟  【山】井上
A 山形○2-1●甲府  【山】鷲田、大島、【甲】山本
H 山形○1-0●水戸  【山】OG
H 山形●0-2○湘南  【湘】時崎、戸田
A 山形●0-1○札幌  【札】新居
 予想されるメンバーは、GK:桜井、DF:太田、古川、鷲田、井上、MF:永井、ニヴァウド、高橋、小久保、FW:大島、中村。前回の対戦では先制された後圧倒的に攻め込んで逆転勝ちしましたが、今回は相手のホームであること、また前のメンバーから半数近くが入れ替わっていることを考えれば十分な注意が必要でしょう。
 対するサンフのメンバーですが、怪我で戦列を離れていた駒野がいよいよ戻ってくる予定です。先日も書いたようにここまでのサンフは駒野の代役に苦しんでいましたので、ようやく本来の形で戦う事ができる、と言えそうです。予想メンバーは、次の通り。
      下田

   リカルド 上村
駒野          服部
   森崎和 サンパイオ
      森崎浩
 大木        高橋
     マルセロ

SUB:林、八田、桑原、高木、茂木
 ようやくここでベストメンバーが組める、と言いたいところですが、若干心配なのは水曜日のU-22代表のゲームに出場した森崎兄弟のコンディションです。もし疲れがたまっている様子があれば、先発から外すという選択もあり得るかもしれません。特に高木が先週のサテライトのゲーム以来絶好調を維持しているらしいので、彼のプロ入り初先発の可能性もありそうです。その他の選手では、前節決勝ゴールを決めた茂木に期待したいところ。山形は彼の故郷・福島からすぐ近くです。おそらく親戚や友達など多くの関係者が駆けつけるものと思われますので、ぜひその前で成長した姿を見せて欲しい、と思います。
<03.5.22> 6/14の大宮戦、6/21の横浜FC戦に向けてのアウェイ応援ツアーが行われることになり、その詳細が昨日発表されました。いずれも広島駅から「のぞみ」を利用して行く日帰りツアーで、往復の新幹線、貸し切りバス、自由席チケット、旅行保険の代金を含んで大人・高校生45,000円、小中学生44,000円。(ファンクラブ、後援会員は2,000円引。)大宮戦は6/14(土)の6:28広島駅発ののぞみ4号、横浜FC戦は6/21(土)の7:32広島駅発ののぞみ6号で出発して、その日の夜に戻ってくるスケジュールです。いずれも募集人数は40名で、最小催行人数30名に達しない場合は中止される場合もあります。お申し込み、お問い合わせはいずれもデオデオ旅行社「サンフレッチェ広島アウェイ応援ツアー」係(082-240-3447、10:00~19:00)までどうぞ。受付は明日からで、大宮戦は6/7、横浜FC戦は6/14までにお申し込みください。
<03.5.22> 昨日神戸で行われたU-22日本代表のニュージーランドとの親善試合は、森崎浩のゴールなどで4-0で勝ちました。
 このゲーム、前半はミャンマーとの第2戦とほぼ同じメンバーで、サンフレッチェの選手は誰も出場無し。どんなサッカーを見せてくれるのだろうと興味津々で見ていたのですが、あのゲームと同様に深いDFラインからロングパス一本で局面を打開する事が多く、とても現代的とは言い難いサッカーだったと思います。チャンスは確かに何度もあったのですが、ほとんどが大久保や松井、石川らの個人的な力によるもの。相手を圧倒した、と言ってもニュージーランドの技術とモティベーションの低さに助けられたもので、仮に相手が韓国だったらとても通用しないのではないか、と思わざるを得ませんでした。
 後半からは、いよいよ森崎兄弟が同時に登場。思ったとおりこの2人を中心とするパス回しが出てきて、かなり雰囲気が変わりました。森崎浩の得点も起点は森崎和で、あのシーンだけは良かったと思います。ただ、それ以降は内容的にはやはりいまひとつ。森崎和のポジションが低く森崎浩との距離が遠い場面が多かったためか、パスがリズミカルに回るシーンはあまり見られませんでした。また森崎浩が何本かダイナミックなサイドチェンジや決定的なパスを出しましたが、他の選手のタッチ数が多く結局は単発的。持ちすぎる選手が悪いのか、あるいは戦術が悪いのかは分かりませんが、最後まで深く位置したDFラインと合わせて個人的にはかなり不満が残るゲームでした。アナウンサーが終始「アピール、アピール」と叫んでいましたが、もし本当に選手がフル代表入り等のアピールのためにプレーしていたのだとすれば、このチームが崩壊するのも時間の問題ではないか、と危惧せざるをえません。せっかく五輪予選が半年延びたわけですから、山本監督にはもう一度原点に戻って、しっかりしたチーム戦術を与えて組織的なサッカーを目指して欲しい、と思います。
<03.5.21> 日本サッカー協会は昨日オランダ遠征に参加するU-18代表を発表し、サンフレッチェユースからは高萩、高柳、前田俊の3人が選出されました。また中国地方からは皆実高の吉弘と作陽高の青山も選ばれています。今回のメンバーは次の22人。
GK:松井(磐田Y)、鈴木(浦和東高)
DF:増嶋(市船橋高)、吉弘(皆実高)、中村(国見高)、松下、小林(静岡学園高)、樋口(四日市中央工高)、森下(磐田Y)、高柳(広島Y)
MF:渡邉(名古屋)、ロバート(市船橋高)、寺田、家長(G大阪Y)、梶山(F東京U18)、青山(作陽高)、細貝(前橋育英高)、高萩(広島Y)
FW:三木(G大阪Y)、平山(国見高)、田中(帯広北高)、前田(広島Y)
 このチームは5/26〜29にトレーニングを行い、5/30と31にオランダで行われるデンボルグ国際ユース大会に参加します。(従って高萩は、少なくとも湘南戦には出場できないことになります。)
<03.5.20> 甲府戦から鳥栖戦までの5試合、サンフレッチェは駒野を欠いた状態で戦って来ています。その間の得点は7で失点は3。勝ち点12を奪っていると言う結果は決して悪くはないのですが、しかしかなり苦労しているのは間違いない、と言って良いでしょう。駒野が出場していた8試合の時間帯別得点を見てみると、山形戦を除く全試合で前半35分までに得点を奪っています。(それも、1試合平均で1.5点。)ところがその後の5試合では前半の得点はゼロ。後半20分までに得点しているのも大宮戦だけで、他のゲームではそれ以降に得点が集中しています。駒野不在を補うために、甲府戦と鳥栖戦では高萩を右SBに入れた4バックを採用していますが、その布陣で得点を取れたのは甲府戦の1点のみ。また福岡戦〜川崎戦では3バックでスタートしていますが、この布陣も終盤にリカルドを右サイドに回す「スクランブル態勢」でやっと攻撃が機能した、という感じです。また得点パターンとしてもクロスから得点を挙げる事は無く、ほぼ全得点が中央突破からのものとなっています。石崎監督は試合後に「駒野がいなくて助かった」と漏らしていたそうですが、それはたぶん本音でしょう。やはりこのところの苦戦の原因は相手に研究されたと言うことにとどまらず、駒野不在の影響である、と言って間違いないと思います。
 ところでその駒野ですが、先週の報道によると回復は順調で既に練習に合流しているとのこと。本人によると痛みも無いらしく、川崎戦からでも使えないことはない状態だったそうです。ただ、小野監督は「将来のある大事な選手だから」と言うことで無理はさせない方針で、山形戦を復帰の目途にしているそうです。個人的には駒野の不在の間に誰か代役が出てきて欲しかったのですが、高萩以外は五十歩百歩。その高萩もやはり右SBよりも中盤の方が良かったことを考えると、駒野の復帰によってチームがレベルアップする事は間違いなさそうです。
<03.5.19> 昨日行われたサテライトのセレッソ戦は、李、梅田のゴールで2-0で勝ちました。サンフレッチェのメンバーは、GK:林、DF:西嶋、大久保、河野、佐田、MF:西村(→山形59分)、高木、FW:茂木(→松浦63分)、梅田、田中、SUB:佐藤、木村、須田。対するセレッソは、GK:伊藤友、DF:齋藤、松岡、伊藤仁、MF:千葉、下村、中井、杉本、濱田、FW:酒本、御給だったそうです。試合内容は、ふぇりくすさんの広島三矢組が詳しいのでそちらをどうぞ。
<03.5.18> 昨日の鳥栖戦は前半3分に先制され、守りを固める鳥栖を攻めあぐむ展開となりましたが、マルセロ、茂木のゴールで逆転で勝ち、勝ち点を34に伸ばしました。
 甲府戦以来久々に高萩を起用したサンフは、これも甲府戦以来となる4バックで臨みました。
      下田

   リカルド 上村
高萩(→李72分)    服部
   森崎和 サンパイオ
      森崎浩
 大木(→茂木67分) 高橋(→八田52分)
     マルセロ

SUB:林、桑原
 対する鳥栖はDFリーダーの川前が怪我のため欠場し、GK:藤川、DF:鈴木、宮川、カブリレーゾ、中村、MF:佐藤陽、川崎、大友(→三好74分)、矢部(→森60分)、FW:鳴尾、ジェフェルソン(→服部78分)、と言うメンバーでした。立ち上がりから積極的なサンフは、速いパス交換から相手を翻弄してペースを握るかに見えましたが、そこに一瞬の綻びが出たのが前半3分でした。中盤でボールを持ったサンパイオがヒールパスを出そうとする瞬間、前に出た佐藤陽がカットします。信頼感絶大なサンパイオがボールを失って慌てるサンフ守備陣。飛び出した鳴尾に付いていけず、オフサイドも取れずに抜け出されてシュートをグラウンダーで決められてしまいました。
 これですっかり「専守防衛」に徹する鳥栖。4枚のDFラインの前に4人のMFが立ちはだかり、ペナルティエリア前に白い壁を作ります。サンフはパスを回して何とかこじ開けようとしますが、何度もオフサイドに引っ掛かり、また相手陣内でのプレー精度が悪くなかなか決定的チャンスを作れません。攻めあぐむサンフは全員が相手陣内に入り、服部が切れ味鋭いドリブルから、あるいはDFの選手が激しく上下して攻めますが、肝心のパスが横パスばかり。局面、局面では場内がどよめくようなパス回しを見せる事があるものの、前線のアイディアと精度が無く前半のシュートはわずかに4本。カウンターしか攻め手がないものの粘り強く守りきろう、と言う鳥栖の術中にはまったような、そんな展開のままに前半を折り返すことになりました。
 「これじゃ川崎戦の二の舞いになるんじゃないか」そんな悪い予感に苛まれたスタンドでしたが、しかし監督と選手達は違っていたようです。広島フットボールによると「自分たちのサッカーを続ければ、必ず逆転できる」と思っていたそうで、気合いを入れ直して後半のピッチに向かいます。そしてサンフの選手は立ち上がりから積極的に前に出て、服部やマルセロのシュートなどで相手を脅かします。そして掴みかけた流れを確実に呼び寄せるために、小野監督は後半7分に手を打ちます。チーム得点王の高橋を外してDFの八田の投入。一見消極的に見える采配でしたが、しかし実際にはややリスクを冒して攻め上がろう、と言う合図でした。高萩を中盤に、森崎和をトップ下に移し、リカルドに右サイドの高い位置に張らせて守備は上村と八田の「2バック」とも言える状態にします。その上、上村が頻繁に高い位置でボールに関わり、GKの前は八田が1人でケアする事もあるという、バランスを崩す一歩手前の守備陣形を取ります。攻撃面では森崎和が相手DFラインの前に位置してボールの中継点となり、マルセロや大木、森崎浩を自在に操ります。これをサンパイオと高萩がサポートし、リカルドと服部が何度も攻め上がって両サイドを制圧します。鳥栖がボールを奪っても蹴り出すのがやっとで、八田や上村がことごとく拾って波状攻撃を仕掛けます。後半17分には高萩が強烈なロングシュートを放ち、19分には森崎浩が決定的なシュートを放ちますがGK藤川が素晴らしい反応で弾きます。
 まるで攻撃練習のように攻め続けたサンフ。藤川を中心に必死で守る鳥栖。後半22分には身体の重い大木に代えて茂木を投入します。そして試合が動いたのは、その3分後の事でした。森崎浩のパスで抜け出した服部のボールをペナルティエリア内で受けた森崎和が、ドリブルで進もうとしたところで引っ掛けられます。こぼれ球を拾ったマルセロがシュートを放ちますが、このボールはサイドネット。チャンスが潰えたかに見えましたが、しかし主審はペナルティスポットを指さしました。「俺が蹴る」とボールをつかんだマルセロが渾身の力を込めて蹴ったボールは、コースを読んでいた藤川の手も及ばずゴールネットに突き刺さりました。
 この直後に小野監督は、疲れの見えてきた高萩に代えて李を入れます。勝ち点1ではなく3が欲しいサンフは、この後も攻めの圧力を減じることなくチャンスを作り続けます。森崎浩が2度の決定的なシュートを放ちますが、いずれも藤川がスーパーセーブ。鳥栖は勝ち点を1でも取ろうと、守りの集中を切らせてくれません。そんな中で、ようやく相手を崩したのが後半35分でした。森崎浩、森崎和、マルセロとボールが渡った瞬間左サイドからスタートを切った茂木に、精妙なスルーパスがマルセロから出ます。完全に裏に入り込んだ茂木は、藤川の動きを読みきってファーサイドのゴールに流し込みます。アイディア、技術、スピードの3拍子揃った素晴らしい攻撃は、茂木の4試合ぶりの、そして勝利を決定づけるゴールに結実しました。逆転を喫した鳥栖はその後ようやく攻めに来ましたが、これは落ち着いて跳ね返してタイムアップ。サンフはまたもや苦しい試合をものにして、11勝目を挙げました。
 先制を許すものの逆転して勝つ。このパターンは今年5試合目で言わばサンフレッチェにとっての「得意のパターン」だと言えます。苦しい状況を克服する「リバウンドメンタリティー」は小野監督の就任以来一貫して追求してきた課題で、リードを奪われても慌てずバランスを崩さず戦って勝つ事ができるのは、チーム全体の力が上がった証拠でもあります。特にこのゲームは八田の投入とそれに伴うシフトチェンジが奏効したわけで、監督の的確な采配とそれに応えた選手の力が勝利の要因だと言えます。ただ、そうは言ってもいつでも逆転できるとは限らないのは、川崎戦を見ても明らかです。J2は対戦が一巡して各チームとの力関係が分かってきたわけですが、基本的な技術や戦術の確かさでサンフレッチェを上回っているチームはない事が分かったと思います。だからこそ、もう少し安定した戦い方をして欲しい。相手が疲れてからようやく点が取れるようなサッカーではなく、早い時間帯から主導権を取って戦えるようなサッカーができるようになって欲しい、と思います。逆転勝ちのスリルも良いのですが、たまには?最初から最後まで主導権を握ったゲームを見せて欲しいものです。
 SANFRECCE Diaryトップページに戻る