1996年6月9日 対 ブランメル仙台

宮城県

観衆:約6000人(?)

 ブランメル仙台 2(2−1)1 福島FC
          (0−0)

  得点経過:1-0 11分 千葉
             2-0 15分 オルデネビッツ(リトバルスキー)
             2-1 18分 瀬川

 仙台: 高橋 - リティ, 阪倉, 山路, 小杉 - 吉田, フランタ, 越後, 千葉 -
   オルデネビッツ, 草野
 福島: 菊池 - 竹原, 河原, 碓氷, 小西 - ジャイルトン, 小林, 仲村,
   デゥフィン - 郭, 瀬川

瀬戸(seto@mls.ias.hiroshima-u.ac.jp)による
「ビデオ観戦記」

まずはフォーメーションです。
      郭
          瀬川
 
  小林        デウフィン
  
   ジャイルトン  仲村
   
  碓氷  小西 河原  竹原
  
        菊地
こう言う4-4-2のシステムを見ると普通はブラジルを思い浮かべるのでしょう が、さすがに比較の対象としてははるかかなたなので現加茂代表と比べてみた くなります。すると、郭は高木、瀬川はカズ、小林が名波、と言う役どころで しょうか?

1分 小林から瀬川にスルーパスを出すもオフサイド。
9分 リティの突破をジャイルトンがファールで止めたところからオッツェの FK。右に外れる。

ここらへんまではどちらかというと福島のペース。ショートパスが小気味よく つながりブランメルを翻弄します。そのへんも、最近の代表に何となく似てい ますね。選手達がチームにフィットしてきたということでしょうか。ただ惜し いのは、ワン、ツー、スリーまではつながってもその後ゴール前まで行かな い。もう一工夫欲しいな、と思っていたら...

11分 DFがペナルティエリアの外でショートパスをつないでいたらブランメ ル千葉がカット、そのまま左足でゴール!右ポストのぎりぎり内側を狙った技 ありのシュートでした。

このシーン、千葉を褒めるべきなのかも知れません が、DFもパスを細かくつなぐのは中盤までにして、最終ラインではもう少し 単純なプレーをすべきだったのかも知れません。この後、少しパスが回せなく なってきました。

14分 ブランメルのフランタが右からクロス、草野のヘディングシュートは 上に外れる。
15分 ブランメル左からのコーナーキック。リティの蹴ったボールはキーパー の上を越えてファーのオッツェへ、フリーで頭でゲット。キーパーが取れなか ったのはしょうがない。でも、なんでオッツェをフリーにするの?
16分 福島エリア内で越後がジャイルトンにファール。この後リティにイエロ ー。抗議をしたのか?このへん、仙台ペースです。
18分 竹原が右サイドを抜け出してクロスをファーサイドへ。郭がキーパーに 競り勝って落としたところを瀬川が押し込む!いやー、郭のヘッドは高いです ね。頭がジャンプしたキーパーの手の上にありました。さあ、福島の反撃開始 です。
20分 郭へクロスが出るがこれはキーパーがキャッチ。この後、小西がバック チャージを取られイエローをもらう。
21分 フランタからDFの裏にパスが出るがこれはキーパーがキャッチ。
25分 ブランメル越後が左サイドを攻め上がりファーサイドへハイボール、こ れをフランタ(?)が折り返し中央で草野がボレーシュート!やられた、と思った ら菊地が横っ飛びで押さえました。ファインセーブでした。
26分 仲村から水島へ交代。
27分 最終ラインで仙台のボールをインターセプトし、前線中央の郭へ、これ を落としたところを小林がフォローし、右の瀬川に開く。瀬川がライン際でキ ープしてDFを引きつけ、できたスペースで小林がボールをもらってシュー ト!ボールはサイドネットへ。惜しい!
28分 今度はブランメルが最終ラインから草野へ、そのまま右からシュート、 これをキーパーがはじき、こぼれたところを中央から越後がシュート。これは DFに当たってゴールラインを割りました。その後リティがコーナーを蹴り、 山路がヘディングシュートするもバーの上。
30分 中盤でDFが仙台のボールをカットしてデウフィンへ、そのまま持ち込 んでシュート、しかし右足にヒットしません。「シュートを打ってくれて仙台 としては良かったかも。右のスペースに瀬川がいましたから」と解説者の声。
33分 デウフィンが中盤に上がっていたリティからボールを奪い、右サイド へ。ここで瀬川がキープし、スペースに出てきた水島(?)にパス、これをゴール 前の小林に送り頭でシュート!しかし左に外れました。

ここらへん、仙台はリティが起点の攻撃しかできません。中盤に上がっ たりリベロに戻ったりと忙しいことです。一方の福島は中盤を省略して簡単に 前線に送る攻撃が多くなってきています。

35分 デウフィンのファールで仙台が左45゜からフリーキック。蹴るのは当然 リティ。カーブをかけたボールはキーパー正面へ。
38分 右ペナルティエリア外からフランタが左足でシュートも、キーパー正 面。
40分 デウフィンが中央へハイクロスを上げるが、郭にあわずGKがキャッ チ。
43分 リティのボールキープから越後へ、シュートするも宇宙のかなたへ。
44分 オッツェがエリア外から左足でシュート、キーパー飛びつくが取れな い!でもボールは左にそれていきました。

ということで、前半を終了しました。テレビのアナウンサーと解説者も言って いましたが、福島の攻撃はDFから直接郭の頭を狙うか、あるいは中盤からサ イドにボールを出して瀬川が走ってクロスを上げる、というパターンしか無 い。これはこれで結構相手をひやりとさせては居るのですがなかなか決定的な 場面まで行きません。鋤柄が居ればもう少し攻撃にアクセントが付くのでしょ うか?一方の仙台も、場面場面ではいいところがあるのですがリティ以外中盤 でボールを持てる選手がいないのが辛いところ。福島としては、リティの疲れ を待って総攻撃をかけたいところです。

さて、後半風上に立った福島は攻勢に出ます。

2分 河原が倒され右ライン際からFK。小西が頭で合わせたが左にそれる。
4分 左のスペースにボールが出て瀬川が追うが追いつけず。
5分 リティが上がってできたブランメル守備陣の穴にデウフィンがドリブル で持ち込みスルーを出すがオフサイド。この後碓氷が担架で外に出される。
6分 水島がコーナー近くで頑張って取ったFKを小西が蹴って前線へ。瀬川 が落とし郭が浮かせたミドルシュートを打つがキーパー正面。碓氷がピッチに 戻る。
9分 瀬川から小林にスルーパスが出るがオフサイド。その後ブランメルが右 からクロスを上げるが河原が頭でクリア。更にその後のクロスも河原がクリ ア。今日はクラウジオが出れない分河原が頑張っています。
10分 瀬川がゴール前に持ち込んでセンタリングし、ここから混戦。しかしシ ュートまで行けず。

最初に「瀬川はカズか?」と書きましたが、むしろ岡野の雰囲気 ですね。風貌も似てます。福島はこの後も徹底してDFの裏にパスを出して瀬 川を走らせる戦術を取って仙台のディフェンスを混乱させました。

11分 水島がゴール前に持ち込むがシュート打てず。
12分 仙台がリティ→越後→フランタ→草野と回しヘッドでゴールを狙うがキ ーパーがキャッチ。ここから数分間は仙台がペースをつかみかけます。
16分 仙台GKへのバックパスをデウフィンが追い、クリアボールを郭が拾っ て遠めからループシュート!惜しい!バーの上に外れました。
17分 今度は水島がキーパーの上を越すシュートを狙うがやはりバーの上。こ の後仙台は、山路を小屋に代えます。
18分 碓氷が突破しようとするところをフランタが足を掛けて倒す。二人はに らみ合うが審判はフランタにイエローを出して収めました。このFKを郭が落 として小林がキープし、右からセンタリング、碓氷が飛び込むが左に外れる。 これも惜しい攻めでした。
21分 中盤でインターセプトして左に出したボールを瀬川がキープし、ゴール 前に持ち込もうとして倒される。PKか、と言うプレーでしたが審判は流しま した。

ここらへんは、ブランメルは中盤でほとんどキープできず福島が攻勢を続けま す。

24分 ブランメル右よりフランタがCK、DFがはねかえす。
26分 デウフィンが疲れていたようで、中園と交代。確かに右から左までよく 動いていました。
27分 碓氷がクロスを上げるがキーパーがキャッチ。前半はあまり目立ちませ んでしたが、碓氷がよく画面に出てくるようになりました。
28分 瀬川がペナルティエリアやや外中央で倒されFKを得る。郭が蹴るもD Fに当たり外へ。この後のCKからの仙台の逆襲を、竹原が強引に止めてイエ ローをもらう。
30分 ロングパスが仙台のDFラインの裏に出て小林が追う。間一髪でGKが クリアしたが、その足が小林の顔に入る。痛そ〜。
34分 リティのFKからフランタ、鈴木とつながり混戦のこぼれだまをオッツ ェがシュートするも左に外れる。後半の仙台の数少ないチャンスでした。

この時間帯は両チームとも疲れてきたのか、簡単に前線に送ってゴールキーパ ーがキャッチする、と言うパターンの繰り返しです。

40分 ブランメルの選手交代。千葉から根子。
41分 瀬川が倒されペナルティエリア左側より碓氷がFK。ファーでオッツェ がクリア。
44分 水島から左へロングパス。これを瀬川がリティと追う。もつれたところ でリティがハンド、との判定。リティは素直に認めてました。高く上がったフ リーキックはキーパーがはじく。この後、リティがイエローを出されました。 前半のイエローは山路だったようです。
このあとロスタイムにかけて、福島は仙台ゴ ール前で波状攻撃をかけます。なかなか見ごたえがありましたが仙台も必死の 守備。ついに2対1のままタイムアップとなりました。

全体的な感想ですが、私がこの前ビデオで見た開幕戦に比べずいぶん落ち着いたゲーム運びを しているな、と言う感じでした。特に前半初めの方は良く細かいパスを回して相手のディフェンスを かき回していました。また、隙を見てDFラインの裏にボールを出して瀬川を走らせる、という パターンもなかなか効果的でした。しかし、その細かいパス回し中のミスを突かれて失点したのと 疲れてきたのとで、徐々にロングパス主体の攻撃になってしまったのはちょっと残念。(それから、 マークがずれてセットプレーから失点する、といういつもの癖も。)まあ、暑い 時期の昼間のゲームでしたから仕方がないと言えば仕方がないし、ペースの落ち方が仙台の方が ひどかったのでむしろ終盤の方が攻勢でしたけど。福島の場合は今チームが形になってきた ところですからこう言うのもしょうがないとして、Jリーグを狙う仙台の方はもう少し質の高いサッカーを してほしいものです。