札幌戦（郡山市の「ひなたぼっこNo.1」さん提供）

7月20日、福島県東部の広野町、楢葉町に建設されたナショナルトレーニングセンター「Ｊヴィレッジ」のオープニングセレモニーが、長沼健サッカー協会会長、川淵三郎Ｊリーグチェアマンやボビー・チャールトン、デトマール・クラマー両氏など沢山の来賓、５千人の観客を集めて盛大に行われました。そしてそのこけら落としの試合として行われたのが、JFL15節、福島ＦＣ対コンサドーレ札幌の試合。来賓各氏も見守る中、福島は強豪相手に食い下がりましたが最後は力尽き、結局２対５で敗れました。

福島のメンバーは、ＧＫ：菊地、ＤＦ：小西、河原、波立、ＭＦ：桜井、仲村、碓氷、八城、川田、ＦＷ：川口裕、瀬川の3-5-2。対する札幌は、ＧＫ：ディド、ＤＦ：ペレイラ、渡辺、中吉、ＭＦ：村田、太田、田渕、後藤、マラドーナ、ＦＷ：山橋、バルデスとやはり3-5-2。ゲームは前半は拮抗した展開。マラドーナが好調な札幌は前掛かりの攻めを見せ、10分にはマラドーナのＦＫがゴール前でフリーになった渡辺の頭にどんぴしゃで合い、あっさり先制を許しました。その後も２バックにしてペレイラまでが攻めに出る札幌に対し、瀬川をワントップに残して引いて守る福島、と言う展開が続きましたが、しかしこの瀬川が好調。開始早々にクロスバー直撃のロングシュートを放つと、その後も札幌ＤＦラインの背後にできた広大なスペースを使ってドリブル突破、センタリングなどしばしばチャンスを作りました。川口裕の決定力さえあれば、と言うシーンもたびたび。また守備陣も、中盤で札幌にボールを回されながらもひたすら追い回し、徐々に押し返します。そして前半20分過ぎ、札幌陣内でパスを良く繋いだ後川田から出た中距離パスを、八城がノートラップで振り向きざまにシュート！これがディドの手の先をかすめてネットを揺らし、いい時間帯に同点に追いつきました。前半はこの後も一進一退。いや、支配率や決定的チャンスは札幌の方が多かったので「一進二退」かも知れませんが、しかし菊地のファインセーブ、体を張るＤＦ、そして瀬川、川田、八城等の「ちびっ子選手」のかき回しで、ほぼ互角の展開で前半を終りました。

しかし、後半になるとやや息切れしたのか、なかなか中盤が作れず札幌にいいようにボールを回されます。福島は一生懸命ボールを追うのですが、タックルするもむなしくボールでなく足に行ってしまうケースもたびたび。審判が良かったから良いものの、下手するとイエロー続出になっても不思議ではなかったかも。それでも最終ラインは良く踏ん張ったのですが、ついに後半6分、バルデスにオフサイド臭いところから抜け出され、勝ち越し点を許してしまいました。続いてその6分後、１点目と同じように（ただしサイドは反対で、福島から見て左側）マラドーナのＦＫにフリーだった渡辺のヘッドが合って4点目を喫してしまいました。なんだか粘りながらも結局は実力差を見せつけられる、と言う展開でしたが、しかしここで諦めないのが今年の福島の良いところ。後半18分には八城の右からのＣＫに瀬川がどんぴしゃのヘッドで２点目のゴールを決めたのを筆頭に、時々ですが中盤でパスを良く繋いで相手ＤＦをかき回して惜しいシュート！と言う場面を作ります。後半のシュートは２点目のものの他は瀬川が2本、松本が1本の3本のみでしたが、これらはいずれも決定的なシュートで、運が味方すればどう転んだか分からない、と言うものでした。最終的には、マラドーナの芸術的なＦＫと、最後に集中が切れたところで失った点とで２対５で敗れたわけですが、それほど「どうしようも無い」と言うようなゲームでは無かったと思います。結局今季前半戦は7勝8敗の9位。終盤に連敗して５割を切ったため残念な気持ちが残りますが、しかし昨年（4勝11敗の13位）に比べれば良く頑張った、と言っていいでしょう。念願の天皇杯の出場権も獲得できましたし。今後の選手とチームの成長に期待したいと思います。